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戦火! 燃ゆる太平洋
「第二次ソロモン海戦」
ミッドウェーで、正規空母4隻を一度に失った影響は、日本海軍にとってはかりしれないほど大きかったが、落胆している間などなく、戦局は待ってくれるはずがなかった。 連合艦隊は直ちに機動部隊の再編を行った。 これまでの機動部隊は、空母の第一航空隊を中心に警護の高速艦艇を他の艦隊から借りてきた臨時編成部隊であったが、新たに第三艦隊を設立し常設としたのである。
昭和17年8月7日、米第一海兵師団がソロモン諸島のツラギ島およびガダルカナル島に襲いかかり、そして日本軍が設営していたルンガ岬の飛行場を奪取した。
直ちにラバウル日本軍は反撃に出たが、その往復2000キロの長距離では零戦では15分ほどしか戦えず、苦戦を強いられた。 また重巡洋艦5隻、軽巡洋艦2隻の第8艦隊がラバウルから出撃し、ガダルカナル島近海に突入、米豪連合軍の重巡洋艦4隻を撃沈するなど大戦果を上げたが(第一次ソロモン海戦)、肝心のルンガ沖の輸送船団の攻撃までに到らず、米軍に橋頭堡を築かせてしまった。 8月20日には日本軍から奪取した飛行場に護衛空母ロングアイランドから艦上機30機が運び込まれ、米軍の防空体制が強化され日本軍の劣勢は甚だしいものとなった。 また同20日の夜、日本軍の陸軍増援部隊一木支隊約900名がガダルカナル島に上陸し、飛行場に突撃したが、米兵2万名の猛反撃にあい翌日に全滅した。
太平洋戦争の運命を決めたガダルカナル島をめぐるソロモン諸島での日米の攻防戦は、こうして始まったが、それは果てしない消耗戦へと突入することを意味しており、それが日本軍に大きな負担となっていくのである。
ソロモンでの厳しい戦況をみて、日本海軍は第三艦隊の派遣を決め、空母瑞鶴、翔鶴、龍驤からなる機動部隊は8月16日柱島停泊地より出撃した。 指揮官は南雲中将で、母艦搭乗員は皆、ミッドウェーの復讐に燃えていたという。 一木支隊全滅の報はまだ届いていないが、かなり厳しい情勢であることからトラック島への入港は中止され、そのまま南下し、先に出撃していた第二艦隊とソロモン諸島の北方で合流した。
一方フレッチャー中将の米空母部隊(第61任務部隊)は空母サラトガ、エンタープライズ、ワスプであるが、ソロモンの南洋上でガダルカナル島への海上輸送路の警護にあたっていた。 8月23日に米太平洋艦隊指令部より、「日本軍の機動部隊はトラック島北方にあり」との情報を得ていたため、近日での艦隊決戦はないと判断し、空母ワスプを燃料補給のため南下させた。
同日、日本軍の第二艦隊が米軍の飛行艇に接触されたため、南雲機動部隊は奇襲攻撃をおそれ、北方へ退いた。しかし、24日にはガダルカナル島への陸軍部隊の上陸を支援するために、飛行場を叩く必要があることから、空母龍驤に重巡利根と駆逐艦を護衛につけて南下させた。 同午前10時龍驤から零戦と艦攻による飛行場への空襲を行った。 しかしすでにこのとき、龍驤は米哨戒機に発見されていた。
ソロモン諸島近くに、日本軍の機動部隊はいないと信じていたフレッチャー中将にはまさに寝耳に水であったが、気を取り直してサラトガより38機の攻撃機を龍驤に向かわせた。 龍驤は襲い掛かる米軍機を全力で回避しようとするが、艦爆と艦攻の同時攻撃を受け、至近弾と左舷中に魚雷を受けて火災を起こし、後に沈没した。
龍驤の後を追う、南雲機動部隊の本隊は、索敵を続けていたが、米機動部隊の発見にはいたらず、じりじりとする時間が続いていた。 そしてようやく「敵艦隊見ゆ」の報が入った。ガダルカナル島の東方230キロ地点で、南雲機動部隊からは540キロの地点で攻撃するには十分な間合いである。、午後12時55分直ちに瑞鶴、翔鶴から攻撃隊が次々と発進していった。
翔鶴艦爆隊は、エンタープライズを狙い、猛烈な対空砲火を潜り抜けて近づき、飛行甲板に直撃弾3発を命中させ、中破させた。 しかし、瑞鶴隊はサラトガに対して傷を負わせることが出来きなかった。米軍はレーダーを使用し、日本軍機の攻撃隊は事前に捕捉されており、万全の防衛態勢が敷かれていたなかので攻撃で、日本軍は多くの攻撃機を失った。
エンタープライズはその後、火災を消し止め傾斜も復元し、飛行甲板も応急処置が施されて、攻撃機を収容すると可能な限りの全速力で南方へと退避した。 午後2時、日本軍は第二次攻撃機を発進するが、目標地点に米空母を発見することが出来ず、また同時刻に米軍も第二次攻撃隊を発進させたが、第二艦隊にかかり護衛空母千歳に至近弾を与えたのみで、日本軍の機動部隊の捕捉に失敗している。
こうして空母の戦いは終わり、その後は南雲機動部隊の前衛と第二艦隊が合流し、夜半まで米機動部隊の追撃を開始するが、出だしが遅すぎたのもあり米艦隊の行方はつかめず、頼みの夜間の砲雷攻撃も出来ずに作戦は終了した。
結局は、敵空母一隻を中破せしめたが、軽空母一隻を失い、航空機も64機失い、陸軍のガダルカナル島への輸送支援も失敗したことから、この海戦は連合艦隊の敗北といえるものであった。
「ガダルカナル島を奪回せよ」
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