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「をのこ草子(をのこ草紙)」という文書を知っていますか?
江戸時代にかかれた読み物で、現代でいえば小説みたいなものなのですが、作者が不明で、成立年代もはっきりしません(吉宗の時代に書かれたともいわれています
)が、書いてある内容が驚くほど現代日本の世相を言い当てているため、最近注目を浴びている文書です。
本書については、古神道家の友清歓真が昭和5年に一部を引用して書いており、他にも昭和10年に著した中国学者の石山福治の著書にも書かれています。友清歓真は、雑誌の切り抜きを見せられたと伝たえており、少なくとも戦前までに大衆紙に記載されるなど、盛んに流布していたようです。
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「今より5代250年を経て、世の様変わり果てなむ。切支丹の法いよいよ盛んになりて、空を飛ぶ人も現はれ、地をくぐる人も出るべし。風雲をかりて雷電を益するものもあらむ。死したるを起こす術もあるべし。」
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明治以降、西洋近代文明を受け入れた日本の社会は、まさにこの通りとなりました。特に、”死したるを起こす術”が近々の臓器移植に関するものと言うならば、まさに現代社会の風景を現している下りであるといえなくはないでしょうか?
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「さるままに人の心も漸く悪となりて、恐ろしき世の相を見つべし。妻は夫に従はず、男は髪長く色白く痩せ細りて、戦の場になぞ立つこと難きにいたらむ。女は髪短く色赤黒く袖無き着物を着、淫に狂いて父母をも夫をも、その子をも顧みぬ者も多からむ。」
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私が、数年前にこの下りを本で目にしたとき、いくらなんでもそこまで世の中の人は酷くないと思ったものです。長髪の若者は確かにいますし、女性も淫に狂う人はいるかもしれないけれど、それが多いとはとても思えなかったのです。しかし、今はどうでしょうか? 長時間立つ事ができず、地べたに座る今の長髪の若者や、恥ずかし気もなく淫行を口にする若い女性達を見てどう思います? ノースリーブ、キャミソールの流行はどう思います?
ガングロで援助交際という売春をしていた女子高生達が、やがて母親になったとき果たしてどうなるのでしょう? あまりの符節に背筋の凍る思いをするのは、私だけでしょうか?
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「よろず南蛮の風を学び、忠孝節義はもとより、仁も義も軽んぜらる
べし。」
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日本社会は隅々まで西洋文明(南蛮)から学びとった結果、物質文明や利益追求主義がいつのまにやら正義となってしまい。
今のひとに仁義と問えば。「やくざ映画」と答える人がいればいい方で、まさに死語に等しいです。日本人としての心が失われ、利己主義が蔓延した世の中になりました。
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「かくていよいよ衰えぬるそのはてに、地水火風空の大いなる災い起こりて、世の人十が五まで亡び異国の軍さへ攻め来るべし。」
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いままで、日本が江戸時代以降、異国の軍に攻められたのは、一度だけ、しかし戦前の日本の男性が、”戦の場になぞ立つこと難きにいたらむ”ほど脆弱だったと思えますか?しかも、”妻は夫に従はず”なんて風潮があったと思えますか? そもそも、天皇崇拝が絶対視された社会で、”忠孝節義はもとより、仁も義も軽んぜらるべし”のはずがないのです。だとすれば、この下りは現代でも未だ経験していない事柄を示していると思えるのです。
単純に書いてあることを鵜呑みにするならば、「日本の国力(経済)はますます弱まり不況を克服できず、さらに追い打ちをかけるごとく、天変地異の大災害(局所的な地震などではない)で、人口の約半分が死滅する。大混乱のうちに治安維持を名目に、あるいはあからさまな侵略目的で、外国軍が進駐し日本を支配下に置こうとする」と言うことになるのです。
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「この時神のごとき大王いでまい、人民悔い改めてこれに従ひ世の中再び正しきに帰りなむ。其の間、世の人狂い苦しむこと百年に及ぶべし」
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最後には救世主が現れて、生き残った人々は、今までの悪行を悔い改めて、江戸時代の世相からみても正しき道に日本の社会が戻ると言うことですから、日本が滅びるわけではないようですが、しかし日本民族の苦しみは100年続くのですから、そう喜んでもいられない状況です。
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この「をのこ草子」は作者も成立年代も不明のため、日本の予言書のなかでは、「偽書」としてあつかわれるようですが、単なる読み物にしては、描いている内容が現代社会との一致点が多いのには驚かされます。それにしても、”世の人十が五まで亡び”とは凄まじい大災害です。単なる 大震災で日本の人口が半分になるとも思えないですから、地球規模でおきる大災害に日本も飲み込まれると言うことなのでしょう。
”今より250年を経て”の世の中がズバリ現代なのだとしたら、大災害がおきるのは遠い未来ではないと言えるのも確かではないでしょうか?
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